戦略・戦術シミュレーションゲームに役立つ地政学の解説として、ラッツェルの生存圏理論を事例にとりあげています
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地政学 ラッツェルの生存圏理論  

フリードリッヒ・ラッツェル(独 1844〜1897)
 
ドイツの地理学者であるラッツェルは、1897年発行の「政治地理学」のなかで次のように提唱している。
 
A.国家は生物と同じように成長する組織体であり、生存するために一定の領域、つまり生存圏が
  必要である
B.国境は国家の同化力の境界線であり、成長力のある国家の国境は拡大する。その拡大を阻止
  する力に出会うと戦争になる。
C.領土を吸収併合しようとする傾向は国から国へ伝染し、増幅される
D.地球という小惑星にはひとつの大国しか存立する余地はない
 
ドイツ人であるラッツェルが「生存圏(レーベンスラウム)」という概念を提起した理由は、ドイツが十分な生存圏
を確保していなかったからである。ラッツェルの理論は、すでに生存圏を確保していた英米から非難を受け、
後にナチス・ドイツの戦略に影響を及ぼすことになる。
なお、生存圏の概念は大陸国家のもつ概念であるから、ロシア・フランス・中国にもこの思考法は昔から存在
している。
 
さて、ラッツェルの「国境は国家の同化力の境界線である」とは、中華思想とまったく同じである。
古代シナ文明は黄河流域のせまい地域であった。揚子江以南は化外の地であり、南蛮の住む地であり、長城
の北にある満州や蒙古は、北荻と呼ぶ野蛮人の住む地域であるとされていた。
山東半島や朝鮮半島は東夷、陜西省から西の寧夏、チベット、新疆は西戎の住むところと考えられていた。
それらを軍事力と政治力と文化によって同化吸収することで、かつての古代シナ帝国が現在の中国の国境
まで拡大したのである。
 
中国人にヨーロッパ的な国境の概念はなく、中国の同化力の及ぶ範囲が世界であり、それから外は世界の
なかへ入れなかった。
ラッツェルの提示したように、まさしく「地球という小惑星にはひとつの大国しか存立する余地はない」のである。
 
 
   
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
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